はっくつ文庫-------------------------------------DBL(埋蔵文学発掘)会著作権に充分ご配慮ください。コピー・転送 禁止です。透明人間になりませんか?
「気分はどうですか」 . 60才くらいの黒ぶちメガネの医師(Dr.Black=ドクター・ブラック=Dr.B、Tのつけたアダナ)と看護婦が、 にこやかに入ってきた。 T :ええ、普通です。 . Dr.Blackは近づくとTの瞼をもちあげ、ライトを当てるとなにか調べた。看護婦は、 Tに着けられていた数個のパッドをはずし、無言でDr.Blackに合図する。 Dr.B:じゃ、向こうの部屋へいきましょうか。 . Dr.Blackの誘いに、Tが立ち上がろうとすると、「あ、気〜つけて〜。薬のせーで〜フラつくかーも〜」 . 看護婦(Yuki)は、かばうように腕を伸ばすと、Tの片腕をとった。衣服を着けDr.Blackについていくと、同じ階の別室にTは案内された。もう一人の色白の若い医師(Dr.White=ドクター・ホワイト= Dr.W)が、 コンピューター画面を見つめ、キーボードを叩いている。入り口近くに小さなテーブルと古いソファーがあり、 Dr.B:ま、掛けてください。どうぞ。 . Dr.Blackは自分も腰を降ろしながら、Tにもすすめると、たのしそうに笑いながら 話しかける。 Dr.B:ご感想は?…といっても、ただ、暗くなって目が見えなくなっただけだから、感想もないでしょうが…。 . どうぞ、と横から事務の女が、笑顔でコーヒーを置いた。 T :ありがとう。 . Tは、ひどく喉が渇いているのに気づいた。Dr.Blackは、手でコーヒーをすすめる仕草で Dr.B:もうちょっとしたら、モニターで写真を見てもらいますから。そうすれば、なにがあったのか良く分かりますからね。 コーヒーでもタバコでもご自由にやってください。医者の台詞じゃないですな、はは…。 . 期待してなかったが、コーヒーは意外に旨かった。ちゃんと豆から挽きたてをだした香りと味だった。味わって飲んでいると、少し緊張していたTの体と気持ちが、ほぐれていった。Dr.Whiteが「先生、準備できました」と、呼んだ。 Dr.B:さて、じゃ見てもらいましょうか。きっと面白いものが見れますヨ。 . 黒ぶちメガネDr.Blackは、さも嬉しそうに腰をあげてTを手招きした。Tは、立ち上がると後についていく。若い医師の向かいの机を勧められ椅子にかける。 Dr.B:ここに映りますから、見ててくださいね。 . Dr.Blackは、Tの前のモニターを指した。 Dr.B:動画だと25分もかかるんで、静止画で見てもらいますね。 . 画面が切り替わり、ベッドに横たわる男が現れる。 Dr.B:これが、注射の直後、つまりスタート時点のあなたです。 . 画面右上にタイムが00:00:30と出ている。 Dr.B:はい、次。 . Dr.Blackが、若い医師に言うと、画面が替わった。 Dr.B:5分後です。少し変化していますが、わかりますか……ね?。 T :うーーん、顔の色が白っぽくなってるような……。 Dr.B:そうです。消え始めてますね。この頃あなたは、部屋が暗くなり始めた、と感じたはずです。はい、次。 . 画面が替わる。今度は、頭、顔、手、足など衣服を着けてない部分がほぼ透けて、ベッドのシーツと二重になって見える。 Dr.B:はい、次……15分後です。 . Tと機器を繋ぐコード3本が宙に浮いてる。Tは、目を見張った。体の露出して る部分が、全く見えない。下着のシャツ、トランクスだけが体型を保って膨らみ、ベッドに転がっている。 Dr.B:完全に消えました。おめでとうございます!おそらくあなたが、人類初の完璧な透明人間です!。 . Dr.Blackは、Tの手をとり、強く握手すると、大声で笑った。いつの間にかTの周囲に集まっていた看護婦、事務員も大きな拍手をし、口々に「おめでとうございます!」を繰り返した。 . 車は、舗装されてない道を走っているらしい。車体が、左右に揺れ続け、時々おおきくバウンドする。Tは目隠しされて、帰りの車に乗せられ、もう30分くらい走っているだろうか。来たときも目隠しだった。運転は若い医師で、Tの隣りには介添え役として女事務員が同乗している。3人とも研究所を出てから黙っている。と言うより、こう揺れては、話しもできないのだ。<そうか。〔宮沢りえ〕だ…>初めて会った時から、事務員がだれかに似ていると感じていたが、いま揺られているうちに思い当たった。そっくりという訳ではないが、漠然と雰囲気が似ている。そのときから事務員はMs.Rie(ミズ・リエ)になった。 . あれは、3週も前だったか…Tは思い出していた。Tは、R大学病院から10分ほどはなれたさびれた喫茶店で、いま同乗している2人とヒソヒソ話しをしていた。TはR大3年生だ。彼の通う経済学部は医学部からは30分ほど離れている。ただ2年間ほどアメリカ・カナダなど留学(とは、建前で、ほとんど遊び)してたので、23才になる。 . 男はR大の医師で、いまは付属の研究所に勤務している。女は研究所の事務をしている、と自己紹介した。 T :透明人間!?透明人間になれるんですか?。 . 他に客はなかったが、二人はあわてて、静かにするよう自分たちの口を手で覆ってみせた。 Dr.W:静かに!。 . 話しを要約すると、 . ◎研究はサルの実験まで無事に終わり、ヒトで試験する段階にはいって、適合者を選択している。 . ◎病歴、血液型、体力、酒を飲まないこと、タバコを吸わないこと、我慢に強いこと、秘密の保持性、家族構成、交友関係(特に恋人がいないこと)などで、全て適合する者は、かなりしぼられる。 . ◎いまTも有力候補の一人だが、被験者になりたい希望はあるか…… Dr.W:なんといっても、まず視力が良くなくてはいけません。 . 唖然と聞いているTに、Dr.Whiteは続ける。 Dr.W:でないと、透明になったら、メガネやコンタクト・レンズ2個が空中浮遊してしまいますからね。それにとうぜん裸になる訳ですし、食事も好きな時に食べられる、という訳にいきません。いろんな意味で、忍耐が求められます。その代わり得られる喜びは、ある意味無限です。 . 「そうですよ」と、Ms.Rie(=Ms.R)が後を継ぐ。 Ms.R:あんなことや、そんなことも……男性としての願望を全てかなえてくれますよ。ね、夢のようでしょ。 . ケータイの番号をやりとりし(メールはダメ)、その後週に一回ていど、同じ喫茶店で3回会って更にくわしい説明を受けた。2回目のとき、Dr.Whiteはノートパソコンで、猿での実験動画を見せた。猿は檻の中でじょじょに消えてゆき、 やがて首に巻いた赤いリボンだけが浮遊している。渡されたバナナが、空中で自分から服を脱ぐように皮を脱ぎ捨て、猿が食べる。すぐに砕かれて、粘土状になり下へゆっくり落ちていく。 Ms.R:どうです? . と事務員はほほえみ「完璧でしょ」 . そのおよそ3週間、Tは一人考えつづけた。というのは、<飽くまでも極秘の研究なので、絶対他言しないように…>と、強く言われ念書にサインしていた。一番のネックとなったのは経費だが、幸い彼の家はかなり裕福な部類にはいる。彼は、自分の車もバイクも持っている。いざとなれば、バイクを売れば、百万にはなるはずだ。「一生に一度透明人になってみるのは、貴重な体験ですよ。ある意味、月旅行よりスリリングで、ずっと貴重です。それになにより、ずっと安全です。」 . と誘われると、心がかなり傾いた。その面談の期間、買ったりレンタルするDVDや本も、つい「透明人間」関係ばかりになり、気がつくとすっかり詳しくなっていた。 . そして今日が実行の第一日だ。事前の説明だと、 .. ◎透明化していくと、網膜も透明になるため、光りが通過してしまう。つまり、光りを感じることができなくなるので、被験者の視界が暗くなる。 .. ◎二回目以降じょじょに時間を長くしていと、視神経が環境に適応してくるので、だんだん普通に見えるようになってくる。 .. ◎ただし、透明化や視力の程度は、個人差が大きく、実際はやってみないとなんともいえない。 Ms.R:あー、疲れる…。早く舗装してほしいわ。…ごめんなさいね、アイ・マスクもうすこしがまんして ください。それで、どうでしたか、透明人初体験は? T :どうも、こうも……自分で透明を確認できないから実感がない……。 Ms.R:そうですよね。次回あたりから確認できるはずですから、それまで、辛抱してくださいね。 . 街中らしい喧騒が聞こえるようになった。 Ms.R:透明人になったら、なにがしたいですか? . 事務員の声は、半分わらってる。 T :そうだなぁ、いろいろあるけど、女の子の部屋へも入ってみたいし、探偵になったら名探偵になれそうだな。 どこへでも入れれば、なんでも調べられる……シャーロック・ホームズを気取るのも悪くないな。それから、気にくわないヤツを ひどい目にあわせてやれると思うと、考えただけですかっとするな。 Ms.R:さあ、もういいですよ。 . 事務員は、アイ・マスクをはずした。 Ms.R:ごめんなさいね、窮屈な思いさせちゃって…あまり詳しくは言えないんだけど、このプロジェクト、政府が関与 することになって、秘密保持がますます厳しくなったの。つかれたでしょ。 . 意識して作っているのか、妙に甘い声に耳を貸しながら、Tは外を見た。まだまぶし く、焦点がうまくあわない。やがて、見慣れた町並みの中を10分ほど走り、経済学部の広い駐車場へ入る。おつかれ さまでしたと事務員は、ブリーフ・ケースを開け、 Ms.R:これが、領収書です。ただ、人に見られないように気をつけてください。特に家族の方に。 . と、渡された一枚の紙を見た。 ......... ¥1,200,000.-- .... ただし、Φ(ふぁい)プロジェクト体験経費(第一〜第五回分とし て) Ms.R:それじゃ、来週ここで同じ時間に待っていますよ。今度は、時間が少し長くなりますからね。先生がね、あなたは、透明人にとても適合してるって、よろこんでらしたわ。 . Tはドアーを開け外へ出た。Ms.Rieはきれいな笑顔で手を振り、車は去っていった。 . 2回目。例のように目隠しされ、研究所へ着いた。部屋へ通ると、すぐに看護婦(Yuki)が来た。 Yuki:こんちは〜、きょーの気分は〜?。 . と、にこやかに話しかける。事務員も美人だが、こちらもなかなか美形だとあらためて Tは気づく。事務員は大人の美人で、看護婦は美少女タイプというところか。語尾上がり(〜)の口調が、ちょっと耳ざわ りだ。 Yuki:どしました〜?ぼーっとして〜。 . 血圧を測りながら、彼女が笑う。 T :あ、いや、ちょと考えごとしてた……。 Yuki:そ〜、どーせ〜彼女のこと、考えてたんでしョ〜。きのう〜お薬ちゃんと飲んだあ〜? . 実験の前日は、排泄物を透明化するために昼食・夕食後けっこう大量のカプセルを 飲むことになっている。 T :飲んだよ、お腹がいっぱいになるくらい。 Yuki:そう〜、よくできました〜。 T :でもさ、今朝のウンチ普通だったぜ。透明になってるかなー?て、楽しみにしてたのに…。 . Yukiは、はは…笑って Yuki:まだ、無理よ〜。24時間後にきくようにできてるからね〜。 . それから、その日の予定を説明する。 ..◎薬の量を増やすので、三時間くらいかかる予定 ..◎ うまくすれば、透明化を確認できるかもしれない。 Yuki:じゃ、全部ぬいで〜。 . Tが、少し躊躇しながら脱ぐ。 Yuki:保温クリーム、ぬりますヨ〜。 . 彼女はTの背後に回り、背中にクリームを塗り始める。 T :あ、後は自分でやるから……。 . Tは慌ててクリームを受け取ると、腕、腹、足に塗り T :顔も……。 . と、訊くと Yuki:えーっと、塗ったほうがい〜かな〜って。 . それから錠剤を飲み、ベッドに横たわって注射をうたれる。 Yuki:たぶん〜、だいじょうぶ〜と思うけど〜、寒いようだったら〜言って〜ね。 . Tは無言でうなずく。少し不安な感情がわいてくる。看護婦は、じゃ〜後でまたね〜、 と出ていった。眠くなってきた……と、思うか思わないうちに、Tの意識は消えた。 . ……どれくらい経ったのか?暗闇の中で、Tは目を覚ました。自分に確認するために強く まばたきしてみる。<起きてる。この後どうするんだろ…?>ぼんやり考えていると、ドアの開く音がした。 Yuki:目、覚めましたあ〜。 . 看護婦が、入ってきたらしい。音からして、一人のようだ。 Yuki:寒くないかな〜? . と、毛布をめくる。 Yuki:わ〜、ほとんどシースルーよ。立てれば、たしかめれるけど〜、立てそう〜?。 . 息のかかるくらいの距離で訊く。 T :どうかな…。 . 言いながらゆっくり体を起こしにかかる。 Yuki:気〜つけて〜、ふらつくから〜。 . 彼女は、Tの頭・腕のパッドをはずすと腕をとって介助する。たしかに、頭はボーッ としている。体も半分自分のものでない感じで、ベッドに腰かけた。背伸びしようと両手を突き上げた途端、Tの拳が 彼女の頬をかすり固いものに当った。彼女は、ギャッ!というような声をあげた。 T :ごめん!、なぐちゃった?大丈夫か?。 Yuki:あたたた……、ううん、だいじょうぶ…ちょと、痛かったかな〜。 T :ごめんね、見えないもんだから。…メガネしてたっけ? . Tは、彼女が眼鏡をかけてるのを見たことがない。それに、感触は眼鏡というより、 もっと頑丈な、まるでゴーグルのようだった。 Yuki:ああ、これ〜暗視グラスよ〜。 T :暗視グラス?…だって部屋は明るいし、君はふつうに見えるんだろ? . 彼女は、はは…と笑うと Yuki:バカね〜、なにか忘れてない〜?あなたはいまシースルー、だから〜わたしから見えないの〜。このグラスで、 あなたの赤外線キャッチして見るのよ〜。 T :ああ、……そうか。…そうだよな。 . Tはゆっくり立ち上がる。相変わらず視界は暗闇だ。 Yuki:右へいきま〜す。…あわてないで、ゆっくり〜。 . 彼女は、Tの腕を取ってリードする。 Yuki:右よ〜…そう、そう…ゆっくりね〜…はい〜…あんよはじょうず〜。 . 10歩も歩いたところで、 Yuki:は〜い、ストップね〜…ここで、左むいて〜…そのままね〜。あなたの前の壁に鏡が、あるのね〜…じゃあ〜、 いまからライトをあなたに当てるけど〜…視力が回復してないから〜少しずつ強くしていくわね〜…なんでもいいから 〜見えたら〜、そう言ってね〜。 . Tは訳のわからないまま、前の闇を凝視した。 Yuki:う〜ん、まだだめか〜…そうとうまぶしい光りなんだけど〜…もちょっと、上げるね〜。 . Tの視界に、かすかに四角形が浮かぶ。 T :なんか、四角が見える…。 Yuki:そう〜…じゃあ、もう少し〜強くするね〜…ほとんど限界よ〜。 . 彼女が答えると、白っぽい四角形がはっきりしてきた。 T :白い四角がみえる。 Yuki:よーく見て〜…なにかな〜?。 T :…ただの壁…カレンダーが貼ってある…。 Yuki:あなた自身は、見える〜…鏡に映ってる〜?。 T :いや、壁だけ……。 Yuki:そうでしょう〜…あなたを透かして後ろの壁だけ〜みえるの〜。 . しばらくTは壁に見とれていた。手をあげたり屈伸もしてみたが、なんの変化もない。 Yuki:どう〜?…透明人の気分は〜? . 彼女は、半ば笑いながら訊いた。 T :Uuuu..、なんともへんな気分。 Yuki:じゃ〜、消すわよ〜。 . と、彼女の言葉が終わらないうちに四角い壁は消えた。 Yuki:も一つ確認テストがあるけど〜……つづける〜?…寒くない〜? . 保温クリームのせいかどうか、少し体がほてるくらいだった。 T :だいじょうぶ。続けよう。 Yuki:じゃ、やるわ〜…先生から聞いたと思うけど〜…注射の薬には、わずかに蛍光物質がはいってるの〜… だから〜、紫外線を当てるとひかるわけ〜……で〜いまから〜ブラックライト当てるけど〜蛍光は、暗いとこじゃないと 見えないんで〜……ちょっと待っててね〜部屋の照明消すから〜。 . と、彼女はドアーの方へ向かったらしい。すぐに戻ると Yuki:あなたの眼も紫外線は感知するはずなの〜、んで〜、そのテストなのね〜、い〜い…鏡のほうをむいててね〜…すこしづつ強くしてくから〜、また見えたらおしえて〜。 . Tは、また闇を見つめる。しばらくすると、白いモヤがかかった。 T :青白いものが、ぼんやり見える。 Yuki:そう〜……そのまま見てて〜。 . 青白い光りがはっきり浮かびあがってきた。人の形だ。 T :人だ。青白く光る宇宙人みたいなのが、はっきり見えるよ。 Yuki:はは…ほんと宇宙人みたい〜…鏡に写ったあなたよ〜……動いてみるとわかるわよ〜。 . Tは、片手をあげてみた。同時に人影も手をあげる。ピヨンと跳ぶと、むこうも跳ぶ。 〈鏡だ。そして、写っているのは、まちがいなく僕だ〉なぜか笑いがこみあげてくる。 Yuki:どう〜? T :HaHaHa…ぼくが、光ってる。 Yuki:全身に蛍光物質がまわってるようね〜、あなたは、全身シースルーなの、納得した〜?…もうブラックライト消し ていいかな〜? T :A-a-a-aaa…。 . 突然、視界から青白い人影が消えた。 . その後、腕をとられてベッドへ戻り保温クリームをふき取った。 Yuki:シャワーする〜? . 背中を蒸しタオルで拭きながら彼女が訊く。 T :Uuu..、ま、いいや、帰ってからする。……ところで、さー、Yukiちゃん、カレシいるの? Yuki:いないのよ〜、募集中〜。 T :へー、どんなのが好み? Yuki:そーね〜、できればお金もちがいいかな〜て…でも〜お金さえあれば、いいってもんじゃないし〜…あなた はどうなのよ〜、付きあってるんでしょ〜。 T :それが、いないんだよー。 Yuki:ほんとに〜?…けっこうイイ男だし、お金もありそうなのに〜……わかった!〜…条件が多いんだ!〜。 T :そんなことないさ。Yukiちゃんこそ、カワイイから、ほんとはいるんだろ? Yuki:あーあ〜、たがいに淋しいネ〜…はい、透明薬をはやく消すお薬よ〜 ..Tは、錠剤を飲むと横になり、すぐに眠りに落ちた。 |
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