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結婚はイヴでなきゃ!(5)





 

星空 いき

Hosizora Iki

















河川敷から石段を駆け上がると、橋の袂にある小さな駐車場に、見慣れた車が停まってる。カケルは急いで助手席に乗り込む。センドーはすぐに発進させた。
.センド:急ぎますよ。ベルトをしてください。
..<もたもたしてられないんだ!>計画の説明の時、この時間帯が一番急がなくてはならない事を聞いた。「さっきスナックを出て」から「今から洞窟に着く」まで、結果的に2人のカケルが同じA町に居ることになる。過去の変更ではないので、時間軸の分岐はおこらないが、許容ぎりぎりの不自然な状態にある。万が一、不測の事態が起らないとも限らない。車を飛ばすセンドーは、相変わらずの落ち着いた声で言った。
.センド:怪我をしてませんか?
.カケル:たぶん---
..カケルはライトを点けると、まず手・腕を調べる。まだビニール手袋をしたままだ。怪我はなさそうだし、血痕もない。手袋を取り、ライトで体を確認する。スーツ・ズボンに細かい枯れ草が付いているが、これといった異状はない。ただ、ライトのカバーが一部分割れて欠けている。
.カケル:大丈夫です。異状はありません。
.センド:怪我がなくてなによりです。で、マサトさんは----?
.カケル:--------分りません。----死んだかもしれないし、生きているかも------死んでないとしても、あのまま朝まで放置すれば、間違いなく死ぬ、と思います。レナちゃんだって、雪の中で朝まで放置されてた!----でも、自供させることができました。
..カケルはレコーダーを取り出す。バッグの中にお茶のボトルが見えた。レコーダーを再生させ、センドーの脇に置くとボトルの蓋を取った。車内にカケルとマサトの緊迫した遣り取りが再現される。カケルは喉が渇いていた。お茶を飲みながら聞く声は、マサトの表情、態度をありありと思い出させる。<そうだ。ライトの破片--きっと、投げ出した時に割れたんだな。でも、大丈夫だろう----それより、先のことを考えておかなくちゃ>
.カケル:間もなく5時に戻って、ぼくが2人になるんですよね?
.センド:そうです。2人の距離は離れていますが、スナックではかなり近づきます。例によって体調に異変が起るので、気をつけてください。
.カケル:将来、この時間帯にぼくが2人いるという事実は無くなるんですよね?
.センド:はい、不自然な状況はすぐに修正されます。24日の夜にもあなたは2人いましたね?でも、午前0時までには、わたしと居た時間帯は消滅しました。写真が消えていたでしょう?これから起る状況、二重に時間帯が存在するという不自然な事態は、早急に修正されます。
.カケル:と、すると---将来、さっきの橋へ行く人は、何を目撃することに--?
.センド:一人で叫び、もがいて倒れこむマサトさんの姿です。
.カケル:マサトは、透明人間に殺された----
.センド:宇宙は、空間エネルギーと物質エネルギーそれに時間エネルギーの総量バランスとそのバランス比を保って初めて存在し得ます。常にそのバランスを保つ方向に変容します。そのためには、人間の不都合など考慮されません。
.カケル:------で----も、バランスが取れてないから取ろうとする方向への変化は、いずれはバランスが取れて安定する----と云うことには、ならないんですか?いや、つまり、宇宙誕生から150億年も経って、まだ安定しないのか、という意味で。
..車は寺へ続く坂道に差しかかった。
.センド:そうです。空間は、いまだに生まれつづけています。が、全体としての膨張は止まりました。つまり消滅し続けるシステムも働いているからです。中心で生まれ続け外縁で消滅しているので、一見膨張が続いているような錯覚をおこします。時間も同じで、生まれ続けています。が、こちらは、消滅システムがあるのか、まだ分っていません。言いたいのは、どちらも「流れ」のような大きな動きがまだ続いているので、あなたがおっしゃった「宇宙安定」には、ほど遠いということです。まだまだ100億年くらいは、宇宙は安定しようという方向で変化し続けます。その間は、宇宙の膨張はもちろん、縮小もおこりません。でも、それは安全という事ではありません。その間に、わたしたちの世界が消滅システムに巻き込まれる可能性はありますので。一言では、とても説明し切れないので、歯がゆいところですが----。
..車は駐車場に入った。二人は急いで飛び出す。洞窟での作業もてきぱき行われた。
.センド:ああ、持っていくのは必ず必要な物だけにして、他の物は置いていった方がいいですよ。
..カケルは床にリュックの中身をばら撒くと、普段のバッグ、スケッチブック、ICレコーダーを戻し、残りはセンドーの差し出した袋へ入れた。衣装タンスを閉じたセンドーが
.センド:さあ、行きますよ。
..と、光りの円へ進んだ。

洞窟から駐車場へ、そして車へ。もう急ぐ必要はない。カケルは時間を確かめる。
........12月28日(水)
........ 4時50分
..歓楽街の裏口が見通せる所まで向かう。
.センド:少しでも離れていましょう。
..すっかり暮れて、店の看板の明かりと街路灯だけが頼りだ。シートを倒し、カケルは崩れるように横たわっている。
.センド:出てきました。カケルさんです。走っていきます。やはり、向こうの方が生体レベルが高いですね。あなたとむこうのカケルさんの生体エネルギーは3:7くらいです。「全て終わった人」と「今から大事を為す人」の違いですね。
..5分ほどすると、少し体力が戻ったという実感があった。カケルは、なんとか起き上がった。センドーが助手側に来て手を出す。
.センド:最後のがんばりです。さ、掴まって。
..センドーに助けられ外へでる。
.カケル:もう、かなり向こうへ行ったはずだから----店へ急ぎましょう。
..センドーに肩を借り、スナック横の露地までたどり着いた。
.カケル:大丈夫。一人で歩けます。それで----これで、もう、会えないんですか?
.センド:たぶん。もしかしたら、その後の結果を見届けに来ることがあるかもしれませんが----。
.カケル:もし来られたら連絡ください。お世話になりました。貴重な経験でした。もっといろいろ教えてもらいたかったので、残念です。
.センド:レナちゃんのことは、本当にお気の毒でした。それじゃ----さよなら。
..センドーが右手を出し、カケルはそれを握った。
.センド:早く行きなさい。そして、初めは目立つようになさい。
..手を離すと、センドーが背中を押した。ドアーを開け中へ入ると、後ろでドアーが閉まった。そっと椅子に戻っても、すぐに賑やかな輪に入る気になれない。目の前にはマスターの用意してくれたホットウヰスキーが湯気をあげている。それを一気に飲み干す。 <でも--でも、ここは目立っておかなきゃ、いけないんだ>
.カケル:マスター、日本酒!
..できるだけ大声で注文する。なん人かがカケルを見た。<そうだ、もう、飲んでもいいんだよ!全ては、うまくいった!>
..そんなカケルをマスターは、どうしたんだ?という顔でみている。「日本酒ですね」
.カケル:ああ、頼むよ!酒でカゼを追い出してやる!
..「トイレ行ってたのか。それにしても、君とレナちゃんが『いい仲』だったなんて、オレはショックだったぜ。いつの間に、そんな巧い事したんだ?」隣りのバカボンが、からんでくる。
.カケル:まーな。こんないい男だから彼女に口説かれてさ。
..「ぬかせ!」と、バカボンは殴る振りをする。笑った後、時間を確かめた。
........ 5時20分<木立の中で、仕度している頃だ>
..カケルは、アルコールに強いのかどうか、自分でも良くわからない。そこまで徹底して飲んだことがない。が、学生時を通じても、弱い方では無さそうだと思っている。すぐに銚子が3本になった。「おい、えらくピッチが早くないか」回ってきた幹事のマスオ(サザエさんの夫に似ている)が、覗きこむ。「いいって、いいって。レナちゃんの供養だ。もっとやれ」バカボンが、コップに酒をつぐ。「ビンゴー!!」と、女子の大きな声が響いた。「おめでとう!!、一等でーす!賞品は、あなたにピッタリの、これ!」と司会がゴールドの小箱を高く上げる。手をあげたのは、ミギワさん(ちびまる子の同級生似)だ。司会が声を張り上げる。「今はダメよ。今度は生んでもいいから。こ・ん・ど・産・む----こんどーむ!!」ぎゃー!!と、叫びとも笑いとも分らない歓声が、あちこちで沸きあがる。
..カケルの銚子は、4本目になった。
........ 6時10分<すべて終わった---->
..カケルは酔ったなと思いつつも、頭の後ろのほうはまだ凍結したままだ。凍った部分が<二重ノ時間帯ハ終ワリマシタ。スグニ、修正作業ニハイリマス>と告げている。そろそろ帰った社員もいて、10人ほどになっている。とてつもなく眠い。午前1時からずーっと起きていて、いろんな事があった----<疲れた>と思うヒマさえなかった----カケルは、つっぷして眠ってしまった。
......................................................
..「おい、帰るぞ!」と、揺り起こされる。すぐには、目が覚めない。なんとか頭をあげたが、半分は眠っている。
.カケル:Uuu--ha--,な--ん--時--だ?
..「7時半だ」一人が答えた。外へ出る。残っているのは、5人。「カケルくん!二次会行くよ!」ミギワさんが、腕を絡ませてきた。冷たい外気に晒され歩いていると、目も醒めアルコールもすっかり抜けた気がする。<4時から7時半のアリバイはできた。もう、大丈夫だな>
.カケル:悪いけど、ひどく疲れてんだ。帰るよ。ごめん。
..二次会のカラオケ店の入り口でカケルは断った。
.カケル:ま、いい歳を迎えてちょうだい。ぼくは、たぶん実家で飲んだくれてるよ。
..引き止める同僚たちに手を振って、カケルは駅へ向かった。電車に規則的に揺られ流れる街の灯を見ていると、明日から6日の連休に入る事と「正月には、必ず帰って来い」と母から電話があったことを思いだす。カケルの実家は、特急で2時間ほどの小さな町だ。高校を卒業すると、ほとんどがA.B町のある××市や大都市へ散っていく。特に予定が有るわけでもないが、「休みだ!帰るぞー!」という気分にはほど遠い。駅の改札を抜けて帰宅の途上で、ふと自分でも予期してなかった言葉が胸からこぼれて外へ出た。
.カケル:ひとりぼっち-------
..初めて気づいた。<そうか、ぼくは一人ぼっちなんだ>レナちゃんと電話で笑い合うことも、もうない。もちろん顔を見ることも、触れることも----、センドーも同じだ。彼女との経験は、信じられないほど強烈なものだっただけに、「二度と会うことがない」喪失感は、つっかい棒を突然はずされたようだ。そして、マサトでさえ----もう二度と会うことはない。周囲を見回すと、いままで居た人たちが姿を消した。暗闇の中で立ち尽くしているのは、自分だけ----。カケルの胸に空洞ができ、凍結していたものが溶け始める。
..コンビニで、珍しくと言うより初めてウヰスキーと食品を買って、アパートへ戻った。コート、ネクタイ、スーツ、ズボンを脱ぎ捨てパジャマを着て、コップとヤカンをテーブルに置いて水割りを作る。3口流し込むと、視線のやり場がないのに気づく。なんとなくつけたTVからニュースが流れる。<もしかして---->10分ほどのニュースは終わったが、マサトに関係する報道は無かった。TVのそばにあるワインレッドのバッグは、レナの物だ。バッグの上にはカケルのあげたプレゼントの紙袋が乗っている。<そうか--これは親に渡さなきゃ、いけないんだろうな>バッグを引き寄せる。開けてはいけないのは分っている。開けることはカケルの中で可なり抵抗がある。しばらくバッグを見つめていたが、おそるおそる手を出した。ジッパーをゆっくり引いていくと、厚手のTシャツぽい服が見え、その上にハガキが乗っている。それも、なんの飾りもない官製ハガキだ。差出人はレナ、宛先は親だ。投函するつもりで一番上にしておいたが、機会がなかったのか----?カケルは、取り出してみた。


......................................................
....... この前の話し、電話で話そうと思うとむずかしいので
.......お手紙に書くことにしました。結論を先に言います。い
.......ま、こちらでお付き合いしている人がいます。とても優
.......しくていい人ですので、安心してください。ちょっと気
.......が弱いとこがあるけれど、おもしろいとこもあって、気
.......楽な人です。正月に連れていって紹介できたらいいなー
.......って、思っているけれど、彼にも都合があるでしょうし
.......どうなるか分りません。
....... というわけで、申し訳ないですが、今のところそちら
.......に帰ってしまうということは、考えられません。勝手を
.......いってごめんなさい。でも、いまとってもしあわせなん
.......です。このまま交際が順調にいくことを、なによりも望
.......んでいます。わがまま言って申し訳ないですが、以上の
.......ような事情です。あ、彼は同じ会社の人で、6歳上でカ
.......ケルさんといいます。
......................................................


..カケルは3度、4度と読み直した。<でも、もう二度と会うことも、話すこともできない---->溶けかけていた氷が一気に溶け空洞になだれ込むと、洪水となってあふれた。 カケルの両目から、テーブルの上へぼたぼたと流れ落ちる。レナの遺体を確認してから、初めて泣いた。aa--nnn,aa--nn.大声をあげて泣き続けた。

翌29日、チャイムが鳴ったのは、夕べ食べそこねた弁当を食べている時だった。<今日からしばらく何もすることが無い。かといって、実家に帰る気分にもなれないし-->ドアーの向こうに立っていたのは、あのチャウチャウ刑事と若い刑事だ。<やはり、来たか>
.ケイジ:ちょっと聞きたい事があるんだけど、いいかな?
..本当なら警察署まで同行してもらうとこだけど、君の部屋でもいいと言う。カケルは待ってもらってテーブルの上を片付けると、2人の刑事を中へいれた。
.ケイジ:夕べね、マサトくんが救急車で運ばれたよ。
..チャウチャウはカケルを見つめゆっくりと言った。昨夜8時ころ犬の運動に来た人が、橋の下で倒れているマサトを発見したという。正確に言うなら、見つけたのはロープを解かれ自由になった犬だが。すぐに救急車を呼び病院へ搬送された。頭に打撃痕があって、少し出血していたのと低体温症で、まだ意識はなく重篤な状態が続いている。
.ケイジ:今朝、現場検証をしてきたとこだよ。
.カケル:そうですか----マサトが----だれかにやられたんですかね?
..2人の刑事はじっとカケルを見つめている。
.ケイジ:傍にジャックナイフが落ちていてね。誰かともめていたんじゃないかな?
.カケル:マサトを恨んでいるヤツなんて、いくらでもいますからね。もちろん、ぼくもその一人ですけど----。きっと、警察でもマサトの事は調べて分っているんでしょ、はっきり言ってロクでもないヤツだって。
.ケイジ:だけど、もしこのまま死亡する事になれば、殺人だからな。いくらロクでなしでも。
..それから若いスネ夫刑事(ドラえもんのスネ夫似)が訊いた。「昨日の夕方ころ、どこにいらしゃいました?」カケルは、「4時から7時半まで会社の打上会に出ていた」と答える。
.ケイジ:参考までに、退社から4時まではどこに?
..「約束の人と会って、その後駅前の本屋とデパートヘ行って、時間になったので会場のスナックへ向かった」と答える間、スネ夫刑事はせっせとメモをとっていた。刑事の帰り際にドアーの所で、
.カケル:マサトの病院はどこですか?
..カケルは訊いた。チャウチャウ刑事は、ちょっと考えてから病院を告げた。
..車に乗ると、「マサトさんは、4時半に自分のマンションから出て行くのを管理人が目撃していますよね。医師の推定で、血の固まり具合から事件時刻は5〜7時。カケルさんは関係ないですね」とスネ夫刑事が言うと、
.ケイジ:決め付けちゃ、いかんぞ!とにかく裏をとることだ。
..チャウチャウ刑事は不機嫌に叱ったあと、独り言を言った。
.ケイジ:どうも、気に入らないんだよな、前の事件といい、この事件といい、なんか釈然とせん。尾行班によると、カケルくんには駅前の本屋で巻かれたらしい。マサトくんの車は、いつの間にか別人が運転していたという事だ。本当はどこで、なにをしてたか--Uuuuu--気に入らん。ま、本人が話せるようになれば分ることだから待つしかないな。一応カケルくんのアリバイを確かめておこう。


..秋口のころカケルは、新しいゲームを買った。土日には、結構長い時間やっていた。が、レナと付き合うようになってからは、いつの間にかほとんどやらないで放り出されたままだ。今も<やってみるか-->と思ったが、何故か手を出す気にならない。<マサトは、生きている>ベットに寝転がって窓の向こうの空をみている。<もし死んだとしても、特別な感慨はない。生きのびたら----もう一度やるだろうか?>長い時間、考えるともなく考えた。<たぶん、やらないな>それが、とりあえずの結論だ。やったところで、レナが帰ってくるわけではない。カケルの空洞は、なにを持ってしても埋めることができないことを知った。喩えマサトを二度殺しても、レナが帰ってこないかぎり空洞は埋まらない。それにしてもと、センドーを思い出す。<自分はとてつもなく貴重な経験をした>思い返すと、夢を見たような気分だ。<今この世界で、自分以外に時間を跨いだ人類がいるのだろうか----?もしかしたら、全人類の中でぼく一人?>そう思うと、なんだか誇らしい気持ちと疑問が生じた。<なぜ、ぼくが選ばれたんだ?>
..ヤムチャは、A町駅前通りのゲームセンターにいた。スロットをやっていたが、もう3,000円掏っている。<もうちょっとやるか、もう夕方だし、止めとくか---->席を立って階段を降りようとした時、下から慌てて駆け上がってくる男とぶつかりそうになった。スウィング・ジャンパーの若者に見覚えがある。店の奥でスロットをやっていた2人が、若者に手をあげた。3人は合流すると壁際の隅にかたまった。<MAJINの連中だ?>ヤムチャは、スロット台を選ぶふりをして除じょに奥へ向かった。隅の辺りは、かなり暗い。顔を知られる気遣いはないだろう。できるだけ近づいて、ヤムチャは聞き耳をたてた。「マジンの病院----」「--うばう--」「急いで--」などの言葉の間に、「カケル」という単語が何度も聞こえた。3人は最後に「やるしかないな」「ここじゃまずい。店へ行くか」と階段へ急ぎ、消えた。ヤムチャは考え込んだ。この前のカケルの電話を思い出す。<間違いなく、カケルとマサトの間に深刻なトラブルが進行してるようだ>外へ出るとケータイを取り出した。
..カケルは、帰郷の準備を始めていた。準備といっても大した事はない。下着の換えと電気剃刀、ゲーム機を詰めれば、忘れ物があっても実家だからなんとでもなる。すぐに終わったところへケータイが鳴った。
.ヤムチ:おれ、ヤムチャだ。変ったこと無いか?----それで、マサトは入院してんのか?----うん----へ〜、そうか。
..カケルは、マサトが誰かに襲われて重態な事を告げる。ヤムチャは、マジンの取り巻き連を見かけた事を話し、内容を伝えた。
.カケル:そうか----マサト、意識が戻って話せるのか。
.ヤムチ:それでな、話しを総合するとあの子分たちが、お前を襲う計画をしてると思われるぜ。お前のこと知らないはずなのに、何度も名前を言ってた。きっとマサトに頼まれたんだろう。それに、----うばう、と言ってたようだ。なんか心当りあるか?
.カケル:ちょっと--話しが--長くなるなー。
.ヤムチ:そうか、じゃ、俺んとこ来いよ。どうも一人じゃ危険な状態だぞ。しばらく居候させてやるよ。必ず来いよ。駅で待ってるぜ。
..ざっと部屋を片付け、PCのセットとレナのバッグをベットの下に毛布でくるんで押し込んだ。荷物にパジャマ、スケッチブックとICレコーダーを追加して部屋をでる。外はもう暗い。危険な時間帯だ。カケルは駅へ急いだ。













「結婚はイヴでなきゃ!(6)」へ続く







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